2020.2.6

女性一人暮らし、「わたくし流」隣人関係作り

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「リスク」を「安全安心」に変えていくには

3月4月は引っ越しシーズン。新生活──特に「一人暮らし」に心躍らせている方も多いかもしれない。一方、避けては通れないのが一人暮らしの危険性、特に「女性の一人暮らし」のリスクであろう。

巷のニュースなどで隣人トラブルの事件を多く聞くと、「知らない人の隣に住むこと=リスク」と思ってしまうのも分からなくはない。一方で「知らない人」が「知っている人」に変われば、リスクだと思っていた環境も、「安心」に変わるのではないだろうか。

今回の話は、女性の一人暮らし。賃貸マンションに限らず、分譲マンションでも一戸建てでも、十分に「ご近所コミュニティ」作りのヒントになる話だと思っている。というのも、私がマンションで一人暮らしをしている時に、居室の両隣の男性隣人が「頼もしい隣人」になってくれて、とても安心した生活を送ることができたのだ。勿論、全員が全員、そのような信頼関係が構築できるとは限らないが、「リスク」を「リスク」のままにしておくのではなく、少しでも「安全安心」な関係性に変えていくことができれば、「一人暮らし」が快適になると思われる。

「引っ越し挨拶」前に、管理会社の人へ「聞き込み」を

前述の通り、以前暮らしていたマンションでは、両隣が男性だった。左隣の男性は、外資系メーカーにお勤めの、関西からいらした単身赴任の方、右隣の男性は、出張の多い30代前半くらいの方だった。なぜそのようなことまで分かったのか。きっかけは「引っ越し挨拶」からだった。

まず「引っ越し挨拶」をする前に、管理会社の方へリサーチをした。居室の鍵をいただく際に「引っ越し挨拶をしたいと思っているのですが、近隣の方はどんな方でしょう?」と伺うと、「個人情報保護の都合もあるので詳しくはお話できませんが、学生さんではなく、皆さん社会人の方ですよ」と教えてくれた。「引っ越し挨拶をしても大丈夫な感じでしょうか?」と印象を伺うと「大丈夫だと思います」とのこと。

管理会社にとっては入居者の「個人情報の保護」の方が大切かもしれないが、こちらとしては「安全安心」が大切だ。やはり入居者情報を一番把握している管理会社の方に、雰囲気等を確認しておくのが、スムーズな「引っ越し挨拶」につながる。

「引っ越し挨拶」で探る、お隣さんの人となり

引っ越し当日、荷物搬入真っ只中に、左隣の男性が帰宅された。「今だ!」と思い、玄関を飛び出し、「隣に引っ越して来た田口です!すみません、お騒がせしちゃって!後でご挨拶にいきます〜」とお声がけをした。すると、男性も「全然大丈夫ですよ!ごゆっくり」とのこと。後ほど、引っ越し手みやげを渡しにお伺いすると、お名前は「Aさん」とのこと。「関西からの単身赴任で、よく戻っているのであんまり家にいないかもしれないのですが、何か困ったことがあったら、いつでも呼んでください」とおっしゃってくださった。

右隣の男性には、引っ越し数日後、直接ご挨拶をすることができた。お名前は「Bさん」、30代前半の男性だ。「数日前に引っ越して来て、全く勝手が分からないので、ご迷惑をおかけすることがあったらスミマセン!」と、未来のご迷惑を先にお詫びすると「僕も先週引っ越して来たばかりで、逆にご迷惑をおかけしたらスミマセン!」と、ちょうど同じ時期の入居者だったことが判明。用意をしていた引っ越し挨拶の手みやげをお渡しして、ご挨拶を終えた。

「対面+時々ドアノブコミュニケーション」で、信頼関係をゆっくり作る

その後、マンションのエレベーターなどで、1、2度お会いすることができた。ポイントは「こんにちは以上」の会話である。「相変わらず寒いですね」や「こないだの地震、ちょっと揺れましたね」でも何でもよい。会話をしながら「どこまで打ち解けられそうな方なのか」を探っていた。

しかし今振り返ると、ズカズカと引っ越し挨拶をしてきたり、「こんにちは以上」の話をしてきたり、もしかしたら私の方が相当な不審者だったかもしれない。しかし、お二人は快く受け止めてくださった。

引っ越しが1月で、次第にお二人と打ち解けることができ、2月のバレンタインデーには「よかったらどうぞ!」のメモをつけてドアノブに義理チョコを掛けておいた。3月のホワイトデーには「ありがとうございました」のメモ付きでお返しがドアノブに掛かっていた。

そして、時々エレベーターやゴミ置場でお会いした時に、「先日はありがとうございました」をお伝えするという「対面+時々ドアノブ」コミュニケーションを非常にゆっくりのペースで続けていた。特にお二人は出張が多いようで、出張のお土産がドアノブに掛かっていることが時々あった。この毎回少しのコミュニケーションの中で、絶えず新しい情報交換をしていたのが「挨拶以上」の関係性になれたのかしれない。

そして、更新の際に、退去することになった。ご挨拶に行くと、お二人ともご不在だったので、いつもの「ドアノブコミュニケーション」で、今迄の御礼のお手紙を添えてお菓子を掛けておいた。すると、Aさんからポストにお手紙が入っていた。なんと私の2週間後にご退去とのことで、「もしご迷惑でなかったら、最後にお互いの引っ越し祝いということで、近所に食べにいきませんか?」とのこと。その頃には信頼関係もできていたので、記載されていたメールアドレスに連絡をし、一緒に「ちゃんこ鍋」を食べに行った。「退去手続に当たって気をつけること」の共有や、「ここでの暮らしはどうだったか?」という振り返りで大いに盛り上がり、御馳走にまでなり、今ではLINE友達だ。

Bさんと最後にお会いできなかったのが残念だったが、2年間の安心な生活が送れたのはBさんのお陰でもあった。マンションのエレベーターホールではいろいろな方とお会いしたが、挨拶をしても迷惑そうな方も中にはいらっしゃったので、AさんとBさんという、つかず離れずの距離でお付き合いできる隣人に恵まれたのは、大変幸運なことだったと思う。そして、その信頼関係の最初の一歩は、やはり「引っ越し挨拶」だったように思う。

「性別」を超えた信頼関係を作るには

「女性の一人暮らしが危ない」、「隣人が男性だと不安だ」という意見も勿論理解はできるが、このように「コミュニケーション」によって「リスク」を「安心」に変えていけることもある。

ちなみに以前、オランダでAirbnbを利用した際、自己紹介欄に「ボーイフレンドと一緒に」お住まいであると書かれた男性カップルのお宅に宿泊をさせてもらったことがある。ホスト評価が非常に良かったことから宿泊させていただいたが、ずっと住みたいと思うくらい「付かず離れずの距離」が大変居心地が良かった。以前、ホストが女性の場所にもAirbnbで宿泊したことがあるが、それ以上に快適だった。ホストの男性からは「ルールをきちんと守ってくれて、気を遣ってくれたのがよかった」とレビューコメントをいただいた。

つまるところ、「女性だから」「男性だから」という違いはあるけれども、性別を超えて「相手にとって嫌なことはしない」という信頼関係は構築できるのではないだろうか。

そこで、「隣人の方とどのような信頼関係が構築できそうなのか」を、まずは「引っ越し挨拶」を機に探ってみよう。1人で探るのが不安であれば、是非、ご家族やお友達等と一緒に「引っ越し挨拶」をしてみるのもいいだろう。

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