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2018.12.21

平成30年度第1回京都市マンション管理セミナー 「管理不全をどう防ぐか」を開催

平成30年度第1回京都市マンション管理セミナー 「管理不全をどう防ぐか」を開催

12月2日(日)、龍谷大学アバンティ響都ホール(京都市南区東九条西山王町31)にて「平成30年度第1回京都市マンション管理セミナー 〜マンションの管理不全をどう防ぐか〜」が開催されました。

本シンポジウムは、京都市とNPO法人マンションサポートネットが協同し、分譲マンションの区分所有者等を対象に、分譲マンションの適切な維持管理に活かせる情報を提供するものです。

講演の第1部では、「マンションの管理不全をどう防ぐのか」と題し、千葉大学大学院教授 小林秀樹氏が登壇。管理不全に陥ったマンションの実例を紹介すると共に、管理不全に至らぬ手立ては「コミュニティ」と「資金計画」の対応力を高めることが必要と強調。若い世代の入居者が順次入ってくるよう、マンションの魅力を維持することが大きなポイントであると結論づけ、「高経年マンションの急増は京都市でも例外ではない。お住まいのマンションに重ね合わせてヒントを持ち帰って欲しい」と呼びかけました。

続いて、けやき総合法律事務所 折田泰宏氏が「外部役員派遣の活用による管理組合の活性化」と題し、弁護士の立場からマンション管理の実態を講演しました。その中で、現在の管理組合の外部支援の状況には大きく3つあるとし、「管理会社の支援」「マンション管理士等による支援」「自治体等の支援」を紹介。中でも自治体等の支援では「多くの自治体でマンションに関する相談窓口を設けているが実効性が低い。支援の内容にもっと積極的になり、応援していく必要がある」と問題提起しました。

さらに海外のマンション管理の実例をあげ、「マンション管理士と同様な専門家は、アメリカや韓国では一般的に活躍しているのに対し、管理会社が発達している日本ではごく一部でしか見られない。これからは組織体制が整い、マンション管理士の活躍の場が増えてくると思う」と語りました。

第3部のパネルディスカッションでは、折田弁護士が司会を務め、パネラーには小林教授・管理組合の代表例として「京都グランドハイツ」管理組合副理事長 竹本一郎氏、また外部支援を行うNPO法人「マンションサポートネット」の井上正司氏が登壇。京都グランドハイツが管理不全に陥りそうになった現状と、それを京都市とNPO法人マンションサポートネットにより再生していった実例を紹介しました。

本セミナーの最後には、丸山肇氏が指名され感想を求められました。「京都市が積極的に管理不全マンション対策を行った画期的な事例。自治体・NPO・マンション管理士、そして何とかしようと立ちあがった管理組合の役員が、ご縁とご縁が結びついて大きな力が動いた。マンションの高齢化対策にはコミュニケーションが不可欠。積極的にマンションの老いについて話し合い、想いを共有することが最大の近道」と語りました。

この講演には60名ほどの聴講者が参加し、マンション管理に対する関心の高さを伺わせました。

この記事の取材者

浅井ユキコ