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2019.12.2

早稲田大学教授 鎌野 邦樹先生より講評をいただきました。

管理組合法人の現状調査を拝見して

大和ライフネクスト株式会社がこのたび設立したマンションみらい価値研究所は、「管理組合法人の現状」と題する調査を第一弾として発表した。同調査は、同社の保有している受託管理組合に関するデ-タを活用した管理組合法人に関するものである。私たちは、管理組合のうちどの程度が管理組合法人になっているのかについては、国土交通省が5年ごとに実施しているマンション総合調査により把握できるが(平成30年度の同調査によると、その割合は13.2%)、管理組合がどのような目的で法人化したのか、法人化したが解散したものはあるのかなどについては、国土交通省の調査ではわからない。特に前者については、私のようにマンションに関する法律やその運用を研究している者にとってだけではなく、管理組合の理事や管理会社などマンション管理の実務に携わっている者にとっても、知りたい事項である。同調査によると管理組合が法人化した目的は、「不動産所有」のためであり(54%)であり、この点は、私もなんとなく予想していたが、予想外だったのは、「法人格への信頼」(25%)などそれ以外の目的が多かったこと、および、設立時から法人格を取得していたものが17%あったことである。
今後も、同研究所において、区分所有者と日々接している管理会社の立場や経験に基づく最前線での「現場」の実態についての調査がなされ、それが広く公表されることを望むしだいである。