「仕事やろ?」という指摘。
頑固さゆえに、周囲に迷惑をかけた1年目

「1年目はひどい有様でした(苦笑)。先輩や上司、周囲に迷惑ばかりかけてしまっていたんです。」いきなり反省の弁から取材はスタートした。何があったのだ。一見すると優しくて誠実そう。誰からも好かれそうなこの男の社会人生活のスタートは、大きなつまずきから始まったようだ。
小さいころはガキ大将。4月生まれで体の成長が早く勉強もできたので、クラスではリーダーキャラ。勉強では高校・大学と国公立の第一志望に合格。部活動でも高校ではサッカー部の主将を務め、練習メニューや部内での取り組みなど、自分がいいと思うことをやり続けた。周囲から認められ、自分の意見を肯定される環境で育った少年は、自分の納得する意見を、期限を決めず、とことんまで考えるようになっていた。
そして、自信満々、意気揚々と入社した会社で、初めての挫折を味わう。自分が納得しないことには動き出せない。初めての仕事である「内定者研修の企画」では、「研修では何を伝えたらいいんだろう…」「内定者が楽しめるコンテンツって何だろう」。そう、頭の中で考えることで止まってしまい、仕事が前に進まない。悩んで立ち止まりそのまま動き出せないので、仕事がうまくいくはずもない。なかなか動き出せない自分を見かねて、周囲からは「悩むのはわかるけど、動き出さないと。仕事やろ?」と言われてしまう始末。「こんなに悩んでいるのに、自分をわかってもらえないならもういいや……」。不貞腐れてしまうことも多々あった。

─で、どうあり隊?

「 ちゃんと悩んで答え見 」ツケテいこうぜ!
動いて、悩んで、自分らしくありたい

「そんな頑固な自分でも、1週間毎日飲みに行って話を聞いてくれるような先輩たちのおかげで、少しずつ気づいていったんです」。
悩む1年目を気にかけて、先輩たちは仕事終わりに話を聞いてくれた。
その時間で気づいたのは、悩んでいるのは自分だけではないということ。同じように1年目から採用に携わっていた先輩も最初は悩み、もがいていた。うだつのあがらない自分と違ったのは、わからないなりにも“やってみる”姿勢を大事にしていたこと。頭で考える前にやってみる。行動してこそわかってくることもたくさんある。自分に足りないものが見えてから、行動に変化が見えた。わからないなりに仕事を完成までもっていく。とりあえずやってみる。まずはやってみることで全体像が見えてくるし、自分の課題点も見つかる。“やってみる”という一見単純な行動が、大きなきっかけとなった。
“やってみる”の虜になった彼は私生活でもやってみた。1年目の冬に大阪勤務になったことをきっかけに、「ジャンベ」という打楽器教室に通ってみたり、メンバーの多くが外国人で構成されるサッカーリーグに所属してみたり……。採用活動では、実際に自分が苦労した経験を本音で伝えるスタイル。「話し方とか、自分の見せ方とか、あれこれ考えてみたけど、やっぱり素の自分で話すのが一番相手に伝わるんだ!」。“やってみる”で動いた結果そう感じたことで、本音で学生と向き合えるようになった。就活でネームバリューばかり気にして方向性が定まらなかった経験、1年目で仕事に自分の想いを持てなかった経験。自分の失敗談を引き合いに就活生の相談に乗っていく。お世辞にもかっこいいとは言えないスタイルだが、これが彼の見つけた自分なりの答えなのだ。もちろん、彼の悩み癖がなくなったわけではない。以前と違うのはまずは“やってみる”こと。次に彼が悩んで出す答えは、もう一段上のステージにいるときだろう。