マンション管理に関する国の政策

マンション管理業者の倒産により積立金が返還されないなどの事件が発生し、社会問題化したことをうけ、2001年にマンション管理業者を登録制にし、重要事項説明の義務を課すことなどを規定したマンション管理適正化推進法(以下「適正化法」という)が成立した。また、2010年5月より、管理業者の横領事件などをうけて一部の改正が行われている。

適正化法以前は、マンション管理業は参入障壁が低く、さまざまな業種からの新規参入が相次いでいた。しかし、適正化法以降は、財産の分別管理などの規定を遵守し、適正な事務管理業務を行うことはノウハウなしには難しいことなどから新規参入は減少気味である。

また、既存の管理会社でも社内体制を含めて見直しを図ることが必要となった。管理事務にかかる業務量は2倍近くに増加した印象がある。
業界の健全な育成のためには、業界を規制していく法律は必要であり、適正化法により管理業全体のコンプライアンスに対する意識は格段に上昇した。適正化法をどのような内部統制機能をもって遵守できているかという点は、管理会社各社の差別化のポイントにもなっている。
内部統制が機能しない管理会社は直ちに処分の対象となり、その結果が公表されている。
新規参入が減少したことは、管理会社間の競争が減少するかのようにもとらえられるが、適正化法の改正に追いつくことのできない管理会社は淘汰されるという現実を前に、管理会社間の競争はむしろ激化している。

マンション管理に関する国の政策 ~マンション管理適正化法の制定と管理業の現状~

標準管理委託契約書と管理業者の差別化

 
現在では、ほとんどの管理会社は国土交通省から示された「マンション標準管理委託契約書(以下標準契約書という)」をもとにして、管理組合様と協議の上で契約書を作成している。国土交通省からの標準形があることで、業界標準レベルができ、お客様もご契約内容を標準と比較して検討することができるようになった。また、標準にあわせて契約を行うことにより、法律上の遵守事項が網羅されるようになった。

しかし、標準契約書はあくまでも「雛形」であり、標準管理規約と同様に、管理業者ごと、管理組合様ごとに多様な契約があってもよいと思われる。昨今では、標準契約書の記載に準拠しているために管理業者の契約書はどの管理業者であっても類似したものになっている。一見しただけではその差はよくわからないものも多い。
管理委託契約書を見慣れていない方にとっては、管理業者ごとの特長をご理解いただくのは難しくなっている。
本来であれば、各社のサービスの差は管理委託契約書を比較すれば分かるようなものでなければならない。また、契約内容はすべてここに記載されなければならない。
管理会社としても標準契約書の表記を発展させて、自社の特長をもっとよく表し、分かりやすい契約書としていくことが必要である。
 

マンション標準管理規約の制定~管理組合の責任と義務の明文化

 
「マンション標準管理規約(以下「標準管理規約」という)」は法律ではない。しかし、管理の現場では、国土交通省が示したマンション標準管理規約がまるで法律のように言われることがある。「標準と違う記載なのはなぜか、標準にあわすべき、標準と異なるのは悪である」というご意見をいただくこともある。

しかし、標準管理規約はそのコメントにも記載されている通り、マンション個々の状況にあわせて変更されるべきものであり、標準管理規約と異なることは決して悪ではないはずだ。標準管理規約と異なることへの漠然とした不安、そうしたものからこの標準管理規約にあわせようとする志向が生じてきているのではないかと思われる。この漠然とした不安を取り除き、自分の建物の管理規約が自分の建物にとって最良の管理規約であること、そうした標準からの離脱を図ることができるようにしていくことが、管理組合の責務であり、そのバックアップをしていくことが管理会社の使命となる。
 

電磁的方法の認可と実情

 
国土交通省から示されたマンション標準管理規約には、「電磁的方法」による総会の招集などの記載がある。電磁的方法とは、電子計算機(パソコン等)を使用し、記録、保存、出力することを指し、標準管理規約でもインターネットを介して電子メールの送信やホームページなどに掲載する方法が想定されている。
管理組合の活動がインターネットなどの情報通信網を使用して利便性が高くなるのは歓迎すべきことである。
一方で、マンション管理適正化推進法第72条では、マンション管理業者の重要事項の説明は「書面により」行うこと、とされており、電磁的方法は認められていない。
そのため、管理組合様の書類を電磁的方法にて配信したり保存したりすることができても、管理会社の書類は「紙」で配布せざるを得ない。

当社にて、管理組合活動に電磁的方法を導入するため、インターネット上でも本人署名と同じ効果を持つ「電子認証システム」と組み合わせたシステム開発を行ったことがある。この際に、システムの導入をご検討いただいた管理組合様からいただいたご意見として、「管理組合の書類が電磁的方法で配信できるようになっても、管理会社の書類があいかわらず「紙」ばかりでは片手落ちだ。管理組合にとっては、管理組合独自の書類と管理会社の書類とあわせて管理に関する書類一式となるため、その両方が電磁的方法でやりとりできるようにしてほしい。」という声が多かった。 結局は、紙と電磁的方法の2種類になってしまい、かえってわかりづらくなってしまう、という理由で電磁的方法をやめ、「紙」のままの配布のままになってしまう。
管理組合への電磁的方法の普及の促進のために、管理会社による書面の配布についても電磁的方法の導入がされることを期待したい。

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