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2026.02.27

マンション総合保険の保険料高騰の要因をデータで検証してみましょう



ここ数年でマンション総合保険の火災保険料が高騰しています。一般的には「損害率の高止まり」が主な理由とされていますが、今回はその背景を探ってみました。

≪建築関連コストの上昇傾向について≫
火災保険で支払われる保険金の多くは、原状回復のための修繕費用が占めています。そこで、修繕に使用される主な部材について、建設物価調査会のデータをもとに10年前の価格と比較したところ、以下のような結果になりました。
(出典元:「一般財団法人 建設物価調査会」より 「建設物価 建設資材物価指数グラフ」内の建築総合指数にて値上がり率を判定)


主な資材の価格変動(2015年と2025年の比較)

資材分類   値上がり率
紙・木製品 製材、合板、建設用木製品等、家具・建具・装備品、紙・紙加工品 約30%
石油・塗装料材料 石油製品、塗装材料、石炭製品 約15%
窯業・土石製品 耐火物、他の建設用土石製品、ガラス・ガラス製品、陶磁器、セメント、生コンクリート、セメント製品、その他の窯業・土石製品 約60%
鉄鋼 熱間圧延鋼材、鋼管、冷間・メッキ鋼材、鋳鍛造品・他の鉄鋼製品 約60%

紙・木製品、窯業・土石製品、鉄鋼の値上がり率が特に大きくなっています。
また、建設物価調査会の「建設物価 建設資材物価指数 2026年1月分【速報】」によると、2026年1月の建設資材物価指数(建設総合・全国平均)は144.7となっており、2015年平均(=100)と比較すると、約1.45倍に上昇しています。
資材価格の高騰が続く中、住宅設備関連資材もこの10年間で大幅に値上がりしていることが確認できます。


加えて、人手不足の深刻化も修繕費用の上昇を後押ししています。
建設業界の就業者数は、2015年は約503万人だったのに対し、2025年では約478万人と25万人減少しました。
(出典元:総務省「労働力調査」)

2025年3月より適用されている公共工事設計労務単価は、2012年比で85.8%上昇しており、13年連続の上昇となっています。
(出典元:国土交通省 不動産・建設経済局「令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価について」)

こうした資材価格の高騰や人件費の上昇が重なることで、原状回復工事にかかる修繕費用は増加していく可能性が高いと考えられます。




当社取り扱い事故による検証
実際に保険金支払額が上昇しているか、当社で取り扱った事故データをもとに検証しました。台風・強風・ひょう・雪による保険金請求について、2016年から2017年にかけて発生した事故では、1件あたりの平均支払保険金は303千円でしたが、直近の2024年から2025年にかけての平均支払保険金は453千円と大きく増加しており、修繕費の上昇が保険金支払額にも明確に反映されていることがわかります。

≪日常メンテナンスや防災対策による事故削減の重要性≫
上記の保険金支払額の増加には、台風の規模などの外的要因も影響するため、建設関連コストの上昇だけが理由とは言い切れません。しかし、資材価格や人件費の高騰が支払額を押し上げていることは確実で、漏水事故やその他の破損事故における原状回復費用でも同様の傾向がみられると考えられます。さらに今後は、物流費やエネルギー価格の動向によって修繕費の高騰が続くことも想定されます。このまま保険金請求額が増加していくことは、さらなる保険料の値上がりにつながりかねません。


対策としては、管理組合様それぞれが免責金額を引き上げて少額事故請求を抑えることや、給排水管の経年劣化対策を早めに実施するなど、事故そのものを減らすための予防的な取り組みが重要になります。
加えて、経年劣化対策の評価制度など、保険事故の抑制にむけた全国的な制度作りも進んでいくことが期待されます。


出典
・「一般財団法人 建設物価調査会」より「建設物価 建設資材物価指数グラフ」内の建築総合指数にて値上がり率を判定
・総務省「労働力調査」
・国土交通省 不動産・建設経済局「令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価について」


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