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2026.06.24

自転車青切符制度導入   ~企業がとるべき対応~





2026年4月1日、自転車の交通違反に対して反則金を科す「青切符制度」が導入されました。
これまでの自転車の交通違反は、悪質なケースを除き「指導警告」にとどまることが多くありました。悪質な違反については赤切符による刑事手続きが行われていましたが、今後は違反の内容に応じて、青切符による反則金の対象となるケースが増えることになります。
 
この制度変更は単に個人の運転マナーの問題にとどまらず、自転車を通勤や業務に利用
する企業や、自動車を業務に使用する企業にとっても新たなリスクが発生することになります。企業の安全配慮義務や使用者責任を問われる可能性が高まることから、適切な対応が求められます。そこで本コラムでは、企業が取るべき対応について解説します。

 
【目次】

  1. 自転車青切符とは何か
  2. なぜ、自転車の取り締まりが強化されるのか
  3. 自転車通勤・業務使用を認めている企業がとるべき対応
  4. 業務で自動車を使用する企業がとるべき対応
  5. まとめ


 
  1. 自転車青切符とは何か


    「青切符」とは、比較的軽度な交通違反について、反則金を納付することで刑事手続きを回避できる制度です。自動車では広く適用されてきましたが、2026年4月から自転車にも適用されることになりました。
    これまで、自転車の交通違反が検挙された場合には、いわゆる「赤切符」による刑事手続きとして処理され、警察の捜査を経て検察官が起訴・不起訴を判断していました。
    起訴された場合には裁判手続(多くは略式手続)により処理され、有罪となると罰金刑が科され、いわゆる「前科」が付く可能性があります。
     
    今回、16歳以上の自転車運転者による一定の交通違反者に対して「青切符」が導入されたことにより、手続き的な負担が軽減されるとともに、違反者に前科がつかない形での対応が可能となり、より実行性のある責任追及につながると期待されています。
    ※出典 警察庁交通局 「自転車ルールブック」
     

    https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/cycle_kaisei.files/rule.pdf

    2.なぜ、自転車の取り締まりが強化されるのか

    「青切符」制度導入の背景としては、近年、自転車を取り巻く交通事故の情勢が厳しくなっていることが挙げられています。自転車関連事故件数が長期的には減少傾向にある中、直近では7万件前後と横ばいで推移しており、全交通事故に占める構成比は増加傾向にあります。    





また、自転車乗車中の死亡・重症事故のうち、約4分の3は自転車側にも法令違反が認められています。このような状況を踏まえ、警察は自転車交通事故を減らすために、自転車の交通違反の指導・取り締まりを強化しています。
その結果、自転車の交通違反の検挙件数は近年増加しています。(表4)青切符の導入は、こうした違反を迅速に処理し、違反者と警察双方の時間的な負担を軽減するとともに、違反者に前科がつかない形での対応を可能とし、自動車関連事故の抑止を図ることを目的として導入されました。





※表1表4、文中の数値は 警察庁交通局「自転車ルールブック」より引用しています。
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/cycle_kaisei.files/rule.pdf


 

3.自転車通勤・業務使用を認めている企業がとるべき対応

 
自転車「青切符」制度の導入は、自転車通勤・業務使用を認めている企業にとって影響のある制度変更と言えます。
青切符の反則金は違反者本人に科されます。しかし、違反が通勤中や業務中に発生した場合、「本人の責任であり企業は関係ない」と一概に言い切ることは難しいと考えられます。
まず押さえておきたいことは、青切符制度により「違反行為が明確に記録される」という点です。通勤途中に何度も違反行為を繰り返している従業員がいるにもかかわらず、その事実を把握していなかった場合、企業側の管理体制が問われる可能性があります。
特に、自転車の業務使用を許可している企業では、その影響はより大きくなります。業務中の交通違反については、企業の管理責任が問われる場面も想定されます。青切符制度により、違反が明確化されることで、企業の安全管理体制が不十分と評価されるリスクが高まります。
さらに、業務中に重大事故が発生し、違反行為が原因であることが明確になった場合は「企業の使用者責任」が問われ、賠償責任が発生する可能性があります。
 
それでは、自転車の通勤・業務使用を認めている企業はどのような対応をすればよいのでしょうか。以下に確認しておきたいポイントをご紹介します。


~ 項目 ~        ~ 確認ポイント ~
通勤許可制度       申請・経路届を取っているか
業務使用ルール      使用範囲・条件が明確か
保険加入         個人賠償・業務用自転車保険の加入の有無
教育・周知        定期的に実施しているか
事故・違反        報告・処理フローがあるか


制度施行を機に、企業としての安全管理体制を再度確認しておきましょう。
 

4.業務で自動車を使用する企業がとるべき対応

 
一見すると、自動車を業務に利用する企業と今回の自転車の制度変更は無関係に思えますが、実際には間接的に影響を受けることが想定されます。その背景にあるのが、自転車の「車道通行が原則」というルールの徹底です。
今後は車道で自動車と自転車が並走する場面が増加することが想定されます。
しかしながら、車道を走り慣れていない自転車運転者が多いことに加え、自転車専用レーンが十分に整備されていない地域も多く存在します。
このような状況では、自動車と自転車の距離が狭くなってしまうため、自転車のふらつきによる接触事故が発生する可能性が高まります。
また、左折時には自転車が死角に入りやすいため、巻き込み事故も発生するケースも想定されます。
企業としては、制度変更により発生する新たな事故リスクがあることをドライバーに周知し、安全運転に関する教育を徹底することが重要です。
 
具体的には社内研修の内容として
 
・青切符制度により、自転車利用に関するルールが明確化されたこと
・制度変更により、自転車の運転に変化が生じる可能性があること
・左折時の巻き込み防止・側方確認の徹底が重要であること
・企業としてのリスクと責任
・事故発生時の初動対応フロー

などを盛り込むとよいでしょう。
 
 
 

5.まとめ

 
自転車に「青切符制度」が導入されたことによって、企業にとって新たなリスクが発生しています。本コラムでは、自転車通勤・業務使用を認めている企業および業務で自動車を使用する企業に向けて、取るべき対策をご紹介しました。
本制度は2026年4月1日に導入されたばかりであり、社会に浸透するまでには一定の時間がかかると考えられます。また、制度が浸透に伴い、現時点では想定されていない新たなリスクが発生する可能性もあります。
企業としては、まずは今回の制度改正の内容を理解したうえで、自社の状況に応じたリスク対策を講じていくことが重要です。
大和ライフネクストでは、企業のリスクマネジメント強化に向けた取り組みを支援いたします。
現在ご加入の損害保険が企業のニーズに沿ったものであるかの診断や、適切な損害保険の加入方法についてのご提案も可能です。
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