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2026.08.26

中小企業の水害対策  BCPと損害保険の見直しポイント【チェックリスト付】 





近年、台風や集中豪雨による水害は年々激甚化しており、国土交通省「水害統計調査」によりますと、直近10年間で水害の被害額が1兆円を超える年も発生しています。企業活動に与える影響は無視できないレベルに拡大しているといえます。
水害対策というと、防水設備や止水版などの「ハード面」での対策に目がいきがちですが、実際に企業経営を守るためには、BCP(事業継続計画)や損害保険といった「ソフト面の備え」が不可欠です。
本コラムでは、中小企業が今押さえるべき水害対策として、BCPの重要性と損害保険の見直しポイントをわかりやすく解説します。
 

なぜ今、企業に水害対策が必要なのか

 
近年の水害は、従来の河川氾濫だけでなく、都市部における「内水氾濫(排水能力を超えた浸水)」の増加により、これまで浸水リスクが低いと考えられていた地域でも発生しています。国土交通省の水害統計を見ても、被害規模は年度によって大きく変動するものの、近年は大規模な被害が目立つ傾向にあります。



(国土交通省「水害統計調査」を基に弊社にて作成)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00600590

特に中小企業にとって、建物・設備への直接被害や操業停止等による売上減少が事業に及ぼす影響は大きくなります。さらに長期化すればするほど、取引先との取引関係の見直しなどが行われ、事業継続に大きな影響を及ぼす可能性があります。


中小企業白書によりますと、大規模災害の被災地域に所在する企業約2万社とその他地域に所在する企業約1万社に行ったアンケートでは、自然災害により3割以上の企業が4日以上営業を停止したと回答しています。




調査によると、長期間の営業停止を経験した企業ほど、取引先が減少したと回答する割合が高くなっています。取引先が復旧を待ってくれるとは限らないため、事業継続のために水害対策は極めて重要であると言えます。




(「第3-2-11図」、「第3-2-13図」 出典 2019年版中小企業白書 第3部中小企業・小規模企業経営者に期待される自己変革)https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2019/2019/html/b3_2_1_3.html
 
 

企業が押さえるべき標準的な水害対策

 
まず、基本的な対策として以下は確実に実施しておきましょう。
 
  • ・ ハザードマップの確認
  • ・ 設備や在庫の高所保管などの浸水対策
  • ・ データのバックアップ(クラウド活用)
  • ・ 緊急時の連絡体制の整備
 
これらは比較的取り組みやすく重要な対策です。
しかしここで重要なのはこれだけでは事業は守れないという点です。
仮に建物や設備への被害を完全に防げたとしても、取引先の被災や従業員の出勤困難などにより、事業が止まる可能性は十分にあります。
 

経営を守る鍵は「BCP(事業継続計画)」

 
BCPとは災害などの緊急時においても、事業を継続、または早期復旧するための計画です。
一般的な防災対策が「被害を防ぐ」ことを目的にするのに対し、BCPは「被害が発生しても事業を止めない」ことに重点をおきます。中小企業においても、以下のような内容を整理することで実践的なBCPが作成可能です。
 
  • ・ 優先して復旧すべき業務の特定
  • ・ 代替拠点・仕入先の確保
  • ・ 緊急時の対応フロー(誰が何をするのか)の明確化
 
BCPを作成している企業は、被災時にも早期の事業復旧を目指しやすくなり、復旧の見通しも立てやすくなるため、取引先との関係維持に役立ちます。
もちろん、BCPだけでは十分とはいえません。計画があっても、復旧に必要な資金がなければ実行できないからです。
 

見落としがちな「保険の重要性」

 
水害発生時には、想像以上のコストが発生することがあります。
  
  • ・ 設備や建物の修理・再取得費用
  • ・ 在庫・原材料の損失
  • ・ 復旧作業費用
  • ・ 操業停止による収益減少
 
BCPが「行動計画」であるのに対し、損害保険はそれを実現するための「裏付け」となります。
つまり、BCPと保険はセットで考える必要があります。
 

今すぐ確認すべき損害保険のポイント

 
では、自社の損害保険は水害に対応できているでしょうか。特に確認すべきポイントは以下の3点です。
 

水災補償の有無

火災保険に加入していても、水害が自動的に補償されるとは限りません。水災補償は特約で付帯されているケースが多く、契約内容の確認が必要です。
 

休業補償の有無

設備が復旧しても、売上がすぐに回復するとは限りません。人件費や家賃などの固定費は継続して発生するため、休業補償・利益補償があるかどうかが資金繰りに直結します。
 

補償額・条件

補償額が現在の事業規模に合っていない場合や、免責条件が厳しい場合、十分な補償を受けられない可能性があります。
 

【チエックリスト】自社の保険は本当に大丈夫?

 
以下の項目を確認してみましょう。
 
  • □ 水災補償の加入の有無を把握していない
  • □ 水災補償の支払い条件を把握していない
  • □ どの程度の被害で保険金が支払われるのかわからない
  • □ 休業補償に加入しているか確認していない
  • □ 補償期間(何か月分)がわからない
  • □ 売上停止時の固定費総額を把握していない
  • □ 火災保険を3年以上見直ししていない
  • □ 事業拡大に保険内容が追いついていない
  • □ 補償額が現在の事業規模に合っているかわからない
  • □ ハザードマップを確認したことがない
  • □ 仕入先・取引先の災害リスクを把握していない
 
3つ以上当てはまる場合は、改めて保険内容を詳しく点検することをおすすめします。
 
多くの企業が「問題があるかもしれない」と感じながらも、見直しを後回しにしているのが実情です。
しかし水害は、突然発生する経営リスクです。自社の保険がこうしたリスクに対応できているか、一度確認してみることをおすすめします。
 

まとめ:水害対策は「ソフト面の見直し」で差がつく

 
水害リスクをソフト面から見直すには、専門的なサポートが必要です。
弊社では、建物管理に関する専門的な知見や数多くの事故対応実績に加え、BCP作成支援等にも取り組んでおり、企業のリスク対策を総合的にサポートいたします。
 
まずは現状の確認だけでも構いません。
  • ・ 現在の保険内容の確認
  • ・ 相談のみの対応も可能
  • ・ 簡単な入力でお問い合わせ可能(無料)

将来のリスクに備える第一歩として、ぜひ一度ご相談ください。



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