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2026.07.29

熱中症対策の義務化とは? 


企業に求められる対応と、万が一に備える労災上乗せ保険
 

近年、日本の夏は「例年より暑い」という表現では収まりきらないほどの暑さが続いています。
熱中症はこれまで、建設現場や屋外作業など主に高温環境下での作業に伴うものと捉えられがちでした。しかし最近では、工場・倉庫・店舗さらにはオフィス内においても熱中症が発生するおそれがあり、業務中に発生した熱中症が労災として認定されるケースも増えており、幅広い職場で対策が求められています。

出典:厚生労働省「令和7年職場における熱中症による死傷者数の推移」


こうした背景から、熱中症対策は「従業員個人が注意するもの」ではなく、企業が主体となって取り組むべき安全管理の重要なテーマとして位置づけられるようになりました。
特に2025年6月の改正労働安全衛生規制の施行を受け、企業にはより明確な対応が求められています。
 
本コラムでは、熱中症対策義務化の概要、企業が実務として押さえるべきポイント、裁判例から見えるリスク、そして熱中症にも対応できる労災上乗せ保険の考え方について整理します。
 

熱中症対策義務化の概要


2025年6月の制度施行により、企業には職場における熱中症対策の実施が義務づけられました。高温環境下で作業を行う場合、事業者には、熱中症を予防するための具体的な措置を講じることが求められています。
 
主な対策として以下のような取り組みが重要とされています。
 
  • ・暑さ指数(WBGT値)の低減等の作業環境の管理
  • ・作業時間の短縮や水分・塩分を補給できる環境の整備などの作業管理
  • ・健康診断結果に基づく対応等の健康管理
  • ・緊急時の救急措置等の労働衛生教育
  •  
熱中症対策において実務上重視されるのは、自社の業務内容や職場環境に応じて、現実的な対策を継続的に実施できているかどうかという点です。

 

作業環境への配慮と管理体制の整備


作業環境においては、以下の点に留意する必要があります。
  • ・室温や湿度を把握し、空調や送風機を適切に使用する
  • ・高温になりやすい場所では、作業時間を調整する
  • ・定期的な休憩時間をあらかじめ設定する
  • ・水分・塩分補給を従業員任せにせず、全社として促す
  •  
特に繁忙期や人手不足の状況では、体調や水分補給が後回しになりがちですが、疲労が蓄積した状態では熱中症のリスクが高まる点に注意が必要です。
 
あわせて重要なのが、会社としての管理体制の整備です。
  • ・熱中症対策に関する社内ルールやマニュアルの整備
  • ・新入社員や派遣社員への周知
  • ・体調不良を申し出しやすい職場環境づくり
  • ・異変があった場合に作業を中断できる判断体制

これらの取り組みは、事故防止に資するだけでなく、万が一トラブルが発生した際に、企業として適切な対応をしていたことを示す重要な要素になります。
 

熱中症は労災になる?企業が直面するリスク


業務中に発症した熱中症は、業務との因果関係が認められる場合、労災として認定される可能性があります。
労災が発生した場合、企業は次のようなリスクを負うことになります。
  •  
  • ・従業員の長期離脱・離職による人手不足
  • ・事業の生産性低下
  • ・安全管理体制への不信感
  • ・企業イメージの低下

また「対策を講じていたかどうか」は、事故発生後に厳しく確認される重要なポイントです。
十分な対策を講じていても事故の発生を完全に防ぐことは難しいため、企業は“万が一” の事態に備えた対応まであらかじめ検討しておく必要があります。
 

熱中症にも対応できる労災上乗せ保険とは

労災保険だけではカバーしきれない現実

政府の労災保険は、従業員を守る重要な制度ですが、補償には一定の範囲があります。
実際には
  •  
  • ・休業補償が最高でも80%しか支払われない
  • ・企業独自の見舞金・弔慰金の対応
  • ・訴訟・トラブル対応の間接コスト

など、企業側が実質的に負担する部分も少なくありません。
 
そこで注目されているのが、労災上乗せ保険です。労災上乗せ保険は、政府の労災保険に加えて、
  •  
  • ・休業補償の上乗せ
  • ・従業員や家族への見舞金・弔慰金
  • ・企業防衛を意識した補償

などを備えることができます。
熱中症による労災事故も補償対象とする商品があり、業種を問わず導入しやすい設計となっています。
「従業員を大切にしている会社」という姿勢は、採用や定着率にも好影響を与えます。

(参考)弊社コラム「労災上乗せ保険の必要性」

 

熱中症対策は「予防」と「備え」の両輪で

2025年6月の義務化施行を受け、熱中症対策はすべての企業にとって重要なテーマとなりました。
現場での予防策を講じると同時に、万が一に備える仕組みを整えておくことが、これからの企業経営には欠かせません。
 
熱中症にも対応することができる労災上乗せ保険は、その備えの一つとして、検討の価値のある選択肢と言えるでしょう。

大和ライフネクストでは、企業のニーズに対応した労災上乗せ保険をご案内します。
ご関心のある企業様は、こちらからお問い合わせください。







参考・出典
 
・熱中症対策義務化(2025年6月発行)厚生労働省
 https://www.mhlw.go.jp/content/001476821.pdf
 


よくある質問(FAQ) 


Q1.すべての企業が対象になりますか?
 
A.業種や規模を問わず「一定の条件を満たす作業を行う企業」が対象となります。熱中症対策の義務化は、業種ではなく“作業環境と作業時間”で判断されます。WBGT(暑さ指数)
28度以上または気温31度以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間超の作業を行う企業が対象となります。
 

Q2.義務化に違反すると罰則はありますか?
 
A.違反した場合は刑事罰(6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が科される可能性があります。
労働安全衛生法の規定に基づき、規則違反で「6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が
科される可能性があります。また、労働基準監督署による是正勧告や行政指導の可能性もあります。
 

Q3.熱中症は必ず労災になりますか?
 
A.業務との関連性が認められた場合、労災として認定される可能性があります。労災認定に必要な要件は「業務起因性」と「業務遂行性」です。業務の指揮命令下で発症したか、業務環境(高温・長時間作業など)が原因と認められるかなどを判断して決定されます。
 

Q4.労災上乗せ保険はどのような企業に向いていますか?
 
A.従業員の安全と安心を重視し、万が一の経営リスクにも備えたい企業に向いています。熱中症を含む労災事故への備えとして、規模を問わず検討されるケースが増えています。





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